海実装
愛護絵が張られたときに使います
・人に飼われている実装石は公園に生息する野良の実装石に妬まれて襲われるものである・実装石は服と髪を持って生まれるが一度失えば再生しないため実装石にとっては宝である・服と髪を失った実装石は実装社会のカースト最下位の存在
今回取材班が向かったのは双葉市の五月地区、防波堤が有名な港町です
ですがカメラを設置したのは海岸沿いに進んだ――……ココ！
市街地から離れた沿岸の岩礁……ココが今回の実装石がいる生息地です
潮が引き岩場が姿を見せ始める頃、実装石たちも集まり始めます
目的は干潮時に現れる「潮だまり」ここに居る取り残された魚たちがお目当てです
新鮮な動物性タンパク質は実装石たちにとってはご馳走
そのご馳走が絶対に逃げられない潮だまりは楽園のような餌場と言えるでしょう
この実装石たちは一般的に『海実装』と呼ばれる海を生活圏とする実装石です
人間の生活圏を離れ自然環境の中でコミュニティーを作って生活しています
逃げられないとはいえ魚を捕まえるのは一苦労、互いに協力して追い詰めます
他にも海藻や貝類、小カニや小エビなど、皆で収穫すれば飢える事はありません
「ちょーと待つデスゥ！」
出ましたねクソジイ
「爺じゃないデス！淑女デス！」
「そんな事よりそんなにいい餌場なら全国の海辺が実装石だらけだと思うのデスが？」
海実装が少ない理由はいろいろあります
人間の生活圏である港や海水浴所は遮蔽物が少なく住処にするには危険です
また天気が荒れた時にそなえ巣も餌場の海岸から離れた場所に作らないといけません
そして最大の問題は「真水」実装石でも海水では生きていけません水場の確保が必要です
海水が混ざらない河口や湧き水、場合によっては水だけを求めて公園に向かいます
通常、公園に住む実装石の生活圏は数十m、山実装でも200～300mほどと言われますが
今回調査した海実装は餌場まで200mと水場までの300mで1日に往復1km歩く個体もいました
「デスゥ～～～餌場が恵まれていても大変なんデスね」
そうこうしている間に岩礁が海水に沈んでいきます……満潮です
多くの海実装が帰路につく中、一匹だけ沖の岩場に取り残されてしまいました
この実装石は最近餌場に来れるようになった若い成体のようです
まだ潮の満ち引きを理解できていなかったのでしょう
運が良ければ次の干潮時まで生きのび帰ってこれるかもしれません
岩場で負った傷や獲物からの反撃、不注意での転落や鳥類の襲撃など
恵まれた餌場であっても自然淘汰はすすみます
そんな大自然の中で海実装たちは今日も生きていくのです―― 終
「お便り・イラスト待ってますデスゥ～」
