[시간을 달리는 소녀] 時をかける少女
『時をかける少女』
(「時」の音)
紺野真琴:行くよーっ。ん?あれ?? ん?
間宮千昭:真琴早く投げるよ。
紺野真琴:何かさぁ聞こえなかったぁ? 今
間宮千昭:聞こえたか?
津田功介:何が?
紺野真琴:あれぇ?
間宮千昭:おい真琴
紺野真琴:行くよ それっ
間宮千昭:とっとっおりゃ! あーっクソッ
津田功介:オーライ
紺野真琴:昨日さ!
津田功介:アー?
紺野真琴:プリン...あっ! プリン食べ損ねた!
津田功介:プリンがどうした! また妹に食われたんだろう
紺野真琴:もう、わざわざ取っといたのに、食べちゃうことないよねっ。もうあのバカ妹。
間宮千昭:危ね うりゃっ ああ またやっちまったよ
美雪:お姉ちゃん!
紺野真琴:え?
美雪:お姉ちゃん!
紺野真琴:えっ?
(セミの鳴き声)
紺野真琴:あれ?あれ??
津田功介:真琴 真琴
紺野真琴:ええ?
津田功介:上だ 上!
紺野真琴:上?
(目覚まし時計の音)
紺野真琴:(ガンッ!)イタッ!イッタア~~!
紺野真琴:アア~~ッ ウウッ~~
紺野真琴:うわーーっ!!
美雪:起きなよ いい加減
「♪~ 時をかける少女」
紺野真琴:もう何で目覚まし止めんのよっ
美雪:自分で止めたんじゃん いってきまーす
母:いってらっしゃい
キャスター(1):今日7月13日はー
紺野真琴:わーん もうヤバイ~
キャスター(1):"ナイスの日"なんですね
キャスター(2):何ですか ナイスの日って?
キャスター(1):7と1と3で ナイス
母:真琴やっと起きたの?
紺野真琴:お父さん おはよう
父:おっ
(飲む音)
紺野真琴:わあっ
父:おはよう
紺野真琴:いってきまーす
母:ああ 真琴 ちょちょちょちょちょっ
紺野真琴:何?
母:これ帰りに魔女おばさんとこ、持ってっておばあさんからって
紺野真琴:え~?やだよ!そんなの持って学校行くの
母:それから
紺野真琴:んー?
母:いつになったら結婚するのかも聞いといてね
紺野真琴:うん
母:よし
紺野真琴:いってきまーす
母:いってらっしゃい
(自転車の音)
おばさん:あら マコちゃん おはよう
紺野真琴:あっ おはようございます
(警報幾の音)
(自転車のベル)
紺野真琴:ああ~~~~っ!
(人々の驚く声)
紺野真琴:いやあ 毎朝うるさくて スイマセ ン!
(電車の音)
(鼻歌)
紺野真琴:千昭
間宮千昭:おっ真琴 少しは余裕持って行動しろよ
紺野真琴:あんた 人のこと言えるの?
間宮千昭:どうせ また二度寝だろう
紺野真琴:うるさーい
間宮千昭:カゴのそれ 何?
紺野真琴:何でもいいでしょ?
間宮千昭:何だよ 教えろよ
(チャイムの音)
紺野真琴:ハアッ ハアッ ハアッ...
津田功介:またギリギリかよ 遅刻したほうが いっそ すがすがしいなぁ
間宮千昭:早ぇよ 千昭 ちゃんと オナってきたのかよ
津田功介:うるせぇ おめえらが 遅すぎんだよっ
紺野真琴:ギリギリじゃないよ ホラッ
間宮千昭:ついてんな 俺たち
紺野真琴:ついてんのは私よ
間宮千昭:何だよ ソレ
(真琴):ついてない時は とことん ついて ないって言うけど そんなのひと事だと思ってた
どっちかと言えば ついてるほうだし
福島先生:はい 先生が遅れた理由は何かな~?
早川友梨:小テスト?
先生:はい 早川 正解!!
生徒たち:え~~っ??
(生徒たちの話し声)
(真琴):...とはいえ どちらかと言えば ついてるほうだし 運もいいけど勘もいい おか
げで成績はほどほど そんなに頭よくな いけど バカってほどじゃない
福島先生:あと5分
(真琴):バカってほどじゃあ...
福島先生:あと5分
(真琴):今のは例外
(真琴):器用ってほど器用じゃないけど 人に笑われるほど不器用じゃない
(真琴):あとから思い出して いやになっちゃうような失敗もそんなにしない
紺野真琴:アチャ アッチャ アアッ
生徒たち:わあっ!
女の先生:何やってるの バカ 消火器!! 高瀬君 消火器
高瀬:はいはい こっ こっ これ
(真琴):今のも例外
早川友梨:大丈夫?
紺野真琴:ちょっと前髪焦げた
(真琴):普段はそこそこ慎重だから 大きなケガなんてしたこともない
ややこしい人間関係に からまっちゃうことも
紺野真琴:わっ ちょ ちょと ああ~ もう 何なのよ もう!
(鼻歌 野球の応援曲)
間宮千昭:ハハハハッ ハハハハッ
津田功介:お前なァ~
間宮千昭:おっ
盛子:血液型占いとか この際 関係ないと思う
折美:でも最悪って出てんだよ ヤバくない?
盛子:ヤバイかヤバくないかは こいつが決める ことじゃん
果穂:え~?
(ピアノの音)
早川友梨:マコト!
紺野真琴:何?
早川友梨:理系か文系か決めた?
紺野真琴:まだ 友梨は?
早川友梨:まだまだ
紺野真琴:よかったあ!
早川友梨:すぐには決められないもんねぇ!
紺野真琴:先のことは 分かんないもん
早川友梨:果てしないよね~
間宮千昭:おぃマコト!いつまでやってんだよ
紺野真琴:だったら手伝えば?
間宮千昭:冗談じゃねぇ
津田功介:早くしろよ
紺野真琴:うーん
早川友梨:チヤキ君 どうするのかなー
紺野真琴:理系でしょ?漢字読めないし
早川友梨:チヤキ君 どうするのかな
紺野真琴:理系でしょ?漢字読めないし
早川友梨:数学とかすごいもんね
紺野真琴:だけじゃん つーか 何でチヤキの話?
生徒:おい 提出用のノート置きっぱだぞ 日直誰だよ
紺野真琴:だ~れ~~~?
早川友梨:あんたでしょ?
紺野真琴: クッ ヨッ めんどくさぁ~
(ピアノの音)
紺野真琴:ヨッと...あっ
紺野真琴:time wait for no...
(物音)
紺野真琴:あれ?
紺野真琴:あれ?うん?
紺野真琴:誰かいると思ったのに
紺野真琴:あれ?えっ? うーん...
紺野真琴:密室...ん?
(転がる音)
紺野真琴:何だろう?
(物音)
紺野真琴:ハッ... わあっ
紺野真琴:わぁあああっ! あああっ
(♪~)
紺野真琴:うううっ!
(ドンドザッ)
紺野真琴:うわっ! うーん...
間宮千昭:ははははははっ ははははっ バカだなぁ お前~ 腹イテェ
津田功介:お前 笑いすぎだろ
紺野真琴:そうよ 笑いすぎよ
間宮千昭:だって おもしれぇもん
紺野真琴:面白くない
津田功介:うちの病院で頭のCT撮るか?
紺野真琴:大丈夫だから
津田功介:気をつけろよ.このあとも何かあるかも
紺野真琴:もうないです あっちゃ困ります
間宮千昭:でも何もないのに ブッ倒れるか 普通
紺野真琴:何もなくないよ 誰かいたんだもん
津田功介:誰かって?
間宮千昭:誰が?
紺野真琴:ジーーーーッ
間宮千昭:何で俺がお前を転ばすんだよ
紺野真琴:ジーーーーッ
津田功介:俺かい 犯人は
紺野真琴:じゃあ 誰だろ
(セミの鳴き声)
間宮千昭:アッチなあー ...ったく!
津田功介:もうすぐ夏休みだろ 我慢しろ
紺野真琴:そうだよ 夏休みだよ どっか行こう三人で
津田功介:例えば?
間宮千昭:ナイター行こうぜ
紺野真琴:先月行ったじゃん チヤキそればっか
間宮千昭:じゃあ どこだよ
紺野真琴:海とか
間宮千昭:アチィだろ?
紺野真琴:じゃ 花火大会は?浴衣着てさ
間宮千昭:持ってねぇよ
紺野真琴:功介は どこ行きたい?
津田功介:図書館
紺野真琴:はー??
津田功介:ピッチリ勉強!
間宮千昭:アッチーのに勉強ばっかしてるとバカになんぞっ
津田功介:お前ら しなさすぎ
紺野真琴:医学部受ける人とは一緒にしないで
津田功介:じゃあ お前はどうすんだよ
紺野真琴:え?うーん...ホテル王もしくは石油王
津田功介:真面目に考えろよっ
紺野真琴:ね! チヤキはどうすんの?
間宮千昭:俺? 俺は... イテッ!!
紺野真琴:アッハハハハハッ
津田功介:二人とも少しは真面目に考えろよ
津田功介:あれ?帰るの?
紺野真琴:今日お母さんに用事頼まれてたんだった
間宮千昭:ああ?つまんねえこと言うなよ こいつと二人かよ
紺野真琴:じゃ まったねえ~!
間宮千昭:オイオーイッ
おばさん:行くよ
子供:もうすぐ小人さんが
おばさん:まったく...
(自転車の声)
おばさん:ん? わあっ! コラッ! どこに目ェつけてんだい!
紺野真琴:スイマセーン
(からくり時計の音)
(警報機の音)
紺野真琴:あっ?
(真琴):今日がもし... 今日がもしいつもの日だったら何の問題もなかったはず でも...
紺野真琴:えっ?! ええっ??
(真琴):忘れていた 今日は最悪の日だってことを
紺野真琴:わあっ! わああああっ
(鐘の音)
(真琴):まさかとは思うけど死ぬんだ 今日で最期なんだ
(真琴):こんなことになるんなら もっと早く起きたのに 寝坊なんかしないし遅刻もしない
天ぷらも もっとうまく揚げる バカな男子にぶつかられたりしない
今日は確か..."ナイスな日"なのに
(電車の音)
(時計止まり...逆回転の音)
(自転車倒れる)
紺野真琴:痛...
おばさん:コラッ! どこに目ェつけてんだい!
紺野真琴:はぁ...
おばさん:あやまんなさい! あやまんなさいよっ!!
紺野真琴:うっ... あ、ごめんなさい!
おばさん:目が何で前についてるのか分かる? ちゃんと前見て歩くためよ! 分かった?
紺野真琴:ハイ... どうも失礼しました
おばさん:まったくもう...
子供:あっ ママ あれ!
おばさん:えっ! あら もうこんな時間!!
紺野真琴:えっ?
(からくり時計の音)
紺野真琴:な... 何で?
(電車の音)
紺野真琴:何で??
(電話のベル)
研究員の女:はい、 芳山さん!
紺野真琴:はぁ...
警備員:ハハハッ そう焦らずとも すぐ来るよ
芳山:マコト
紺野真琴:おばさーん! 魔女おばさーん! ハアッ 私 生きてる! 生きてるよね!
どこも変なとこないよね!
芳山:うーん... 前髪が変!
芳山:それ... タイムリープよ
紺野真琴:タイムリープ?
芳山:電車にひかれそうになったのよね?
紺野真琴:うん!
芳山:自転車に投げ出されて
紺野真琴:うん!
芳山:だけど、気がついたら ほんのちょっと前に戻っていた
紺野真琴:そう
芳山:それがタイムリープ! 時間って言うのは不可逆なのね
紺野真琴:フカギャク?
芳山:時は戻らない
紺野真琴:うん
芳山:...ということは 戻ったのは マコトあなた自身! マコトが時間を飛び越えて「過去」に
戻ったのよ
紺野真琴:ホントに?
芳山:そう珍しいことじゃないマコトぐらいの年の女の子にはよくあることなんだから
紺野真琴:ないないない ないよ 絶対
芳山:私はあったな~
紺野真琴:ええっ マジィ?
芳山:例えば日曜日! 朝寝坊するでしょ 今日は何にもしたくないなあー なんて思うでしょ
...で 気が付くと辺りはもう夜なの! ビックリしちゃうわよ
私の大事な日曜日は どこいっちゃったの?
紺野真琴:真面目に聞いてよ 真面目に話してるんだから
芳山:よかったわね 生きてて 少しは うれしそうな顔したら?
紺野真琴:フッフフ... ハッハハ...
芳山:ウッフフッ
(虫の鳴き声)
(テレビの音)
母:ねえ
美雪:うん?
母:ちょっと手伝って
美雪:はーい
(芳山):私にやって見せてよ
(真琴):できないよ
(芳山):コツさえ分かればまたできるようになるんじゃない?
(真琴):できないってば!
(鐘~~電車)
(芳山):でも実際跳んだでしょ?マコトは
紺野真琴:オッ エイ!
美雪:こう?
母:そう そこ取る
(大きな物音)
母:何?地震?
紺野真琴:アァ...
美雪:あっ お姉ちゃん だめ~~~っ!!
紺野真琴:うわあっ わわ~~っ
美雪:ダメーッ
紺野真琴:キャーアッ
美雪:ごめんね ごめんね 美雪が悪かったから
紺野真琴:えっ?
美雪:動機は? 美雪がプリン食べちゃったから?
紺野真琴:ど... 動機?
美雪:お姉ちゃん 死なないで
紺野真琴:死なないっ
美雪:どこ行くの?
紺野真琴:コンビニ
美雪:プリンなら美雪が買ってきてあげる
紺野真琴:いいよ 別に
美雪:怒ってる?
紺野真琴:怒ってない!
美雪:ホントに怒ってない?
紺野真琴:ないない! フーッ...
少年A:行くぞ エイッ
少年B:おおっ すっげえ
紺野真琴:ありえないよ 時間を飛び越えるなんて 跳べるわけないんだから 絶対そんなこと
私にできるわけ ないんだから
(野球部員たちの掛け声)
紺野真琴:(荒い息...)いっっ... けえええええっっ!
(セミの鳴き声)
紺野真琴:わっ! イタッ イタ イター ッ!!はっ ここどこ? どこ?
(セミの鳴き声)
紺野真琴:何だ!うちか?
紺野真琴:プリン... プリンがある! ...ということは? はあっ...
キャスター:7月12日火曜日 今日は日本の標準時制定記念日...
紺野真琴:ウッン...
(ドアを開く音)
紺野真琴:ハッ...
母:プリンがあるじゃないの
美雪:食べていいの?
父:お姉ちゃんのじゃないのか?
母:あの子どうせまた功介君たちと何か食べてくるわよ
美雪:いいの?やったぁ!
紺野真琴:ダメよ これ あたしんだからぁ!
父ㆍ母ㆍ美雪:ウン?
母:マコト?! 帰ってるの?
紺野真琴:わあ~~~~っ あああ~~っイタッ!
紺野真琴:イッター はっ プリン?! プリンは? ない...
少年B:今の見た?
少年C:見た見た
少年A:えっ? 何?何?
少年C:あの姉さんすっげえジャンプした
少年B:したした
少年C:あと一瞬きえたよな?
少年B:はあ? 何で消えんよ
少年A:また こいつのウソが始まったよ
少年C:ウソじゃねえよ 俺見たもん
紺野真琴:もしかして 跳べた?
紺野真琴:うわああーーっ 痛い!
紺野真琴:うまい! これこれ夢じゃない! 私 跳べんじゃん! 跳べんじゃん!!
(♪~ )
紺野真琴:いってきまーす
母:いってらっしゃい
父:いってらっしゃい ハア~ッ ウン...
美雪:フワア~ッ
父:ん? 今何時だ?
美雪:何で?
キャスター:...ということで 今日7月13日が なぜ"ナイスの日"かと言いますと...
(鳥のさえずり)(♪~ )
紺野真琴:おはよう!
女子たち:ウン?
紺野真琴:おっはよう~♪
男子たち:ああ?
紺野真琴:おはようございまーす!
大人たち:うん?
おじいさん:おはよう...
紺野真琴:おはよーっ!
間宮千昭:(鼻歌)...あれ?
津田功介:またギリギリかよ 遅刻したほうが いっそ すがすがしいなぁ
間宮千昭:早ぇよ 千昭 ちゃんと オナって きたのか...
紺野真琴:くだらないこと言ってないで ちゃんと早く起きなよね!
間宮千昭:あれ?! 何で早えの 今日
紺野真琴:う~~っ できたあ!
一同:ウン?
紺野真琴:ううっ はぁ ウフフッ
紺野真琴:高瀬君
高瀬:え?
紺野真琴:グループ代わって
高瀬:いいけど何で?
高瀬:アチチチチッ アアッ!
女の先生:慌てないで ガス止めて 高瀬君 消火器!
高瀬:は... はい ううっ ううっ
生徒たち:わあーーっ!
女の先生:うわっ
加藤:バカヤロ 高瀬 覚えてろ!
高瀬:ご... ごめん うううっ
早川友梨:ねえ チヤキ君てさあ
紺野真琴:私今それどころじゃないんだよねえ
早川友梨:え?
紺野真琴:おりゃ!
生徒たち:おおっ... 何だ?
早川友梨:だ... 大丈夫?
早川友梨:真琴 理系か文系か決めた?
紺野真琴:私 留学にしよっかなあ~
早川友梨:えっ?何ソレ?
紺野真琴:ホラ 交換留学制度とかさ
早川友梨:あんた何言ってんの? 英検3級落ちてたじゃん
紺野真琴:やーねえ タイム ウェイツ フォーノーワンよぉ
間宮千昭:オイ!マコト!
紺野真琴:オーーッス!
津田功介:メロンソーダとコーラ2つ
間宮千昭:何で野球じゃなくてカラオケなんだよ
紺野真琴:カラオケのなとでいいじゃーん
間宮千昭:そんな過密スケジュール 俺はゴメンだね
(歌)
(呼び出し声)
津田功介:はい
店員:お時間5分前です
津田功介:じゃあ 出ます
紺野真琴:時間?
津田功介:メロンソーダとコーラ2つ
間宮千昭:何で野球じゃなくてカラオケなんだよ
紺野真琴:ダーーッ わあっ ウッ ウッ ウッ...
間宮千昭:何やってるんだ マコト!
紺野真琴:何も!...っていうか転んだ
間宮千昭:どうやったら転べんだよ つーか今ここに座ってたろ
紺野真琴:いいから続き 歌うよ
(歌)
(呼び出し声)
津田功介:はい
店員:お時間5分前です
津田功介:じゃあ....
紺野真琴:はーい じゃあ 帰りまーー...
紺野真琴:...せん! オワーッ イタッ
間宮千昭:何やってるんだ マコト!
紺野真琴:転んだ
間宮千昭:どうやったら転べんだよ つーか今ここに座ってたろ
紺野真琴:まだまだ歌うよ 100曲は歌うよーっ!
津田功介:ああ すいません メロンソーダとコーラと あとジンジャーエール
紺野真琴:(ダミ声)ただいま...
母:あんた 何 その声
紺野真琴:カラオケ ウウッ...
母:どれだけいたら そんな声になるの?
紺野真琴:10時間ぐらい
母:バカ言ってんじゃないの
紺野真琴:疲れたーっ... ごはんは?
美雪:筑前煮
紺野真琴:え~っ 鉄板焼きとかに しようよぉ
母:おととい 食べたでしょ?
紺野真琴:ねえ 鉄板焼きぃ
美雪:文句多いな もうちょっと 早く帰ってきて 手伝うとか 何とか
紺野真琴:ウーーッ ハッ!
父:どっ... どうした?
紺野真琴:えっ 別に。 うわあーっ これこれ いっただきまーす. あ~~~ん
(打球)
紺野真琴:ワーーッ ヤッ!
紺野真琴:ハイ!
間宮千昭:何で俺の打球受けんだよ!クソッ
津田功介:あんなフォームで よく取れるなあ
紺野真琴:エイッ ヤアッ ヨッシャ
津田功介:またかよぉ
間宮千昭:何で俺の球 読めんだよっ
紺野真琴:私に読めないことなんてないの読めないことなんてないんだから
紺野真琴:どんな試合も一人勝ちよ~! ワーッ ハハハハッ
少年:何笑ってんだろ あの人
紺野真琴:ワーッ ハハハッ ワーッ ハハハッ ワーッ ハハハッ
芳山:「アテスレイ」ね 奮発したじゃない
紺野真琴:いいの いいの いつも相談に乗って もらってるお礼 お小遣い使っちゃっても...
ングング... ハアッ またお小遣い日に戻ればいいんだもぉん
そしたら全額 手付かずだよぉ もう行ったり来たりし放題朝も二度寝三度寝できるし
忘れ物しても取りに行かなくて済むし 食い放題は90分で終りじゃないし
あっ ドラマ取り逃したらいつでも言って 私 録画しとく
芳山:よかった
紺野真琴:何で?
芳山:大したことには 使ってないみたいだから
紺野真琴:そんなことないよ! もう最高だね「タイムリープ」やめらんないよぉ これ
毎日が楽しくって楽しくって 笑いが止まりませんよぉ
ガーハハハハハッ アーハハッ アーハハハッ
芳山:マコトがいい目見てる分悪い目を見てる人がいるんじゃないの?
紺野真琴:え? いるのかな
芳山:さあ? おいしー
紺野真琴:いないよね! 何があっても大丈夫また戻ればいいんだもん
何回だって リセットできるもんね
折美:何これ 今日最高じゃん これ逃したら来年だって
盛子:今日言うって決めたんでしょ?
果穂:うん...
盛子:あたって砕けろだよ
折美:砕けてどうする?
盛子:先輩
間宮千昭:俺?
盛子:違います
果穂:あの... その...
盛子:カホ!
果穂:うん
紺野真琴:行ってるよっ
津田功介:ああ
間宮千昭:何だ あいつら
紺野真琴:いいから行くよ
(セミの鳴き声)
間宮千昭:いい加減 女投げやめろ 肩で投げんだよ 肩で
(自転車スタンドを立てた音)
紺野真琴:あっ
津田功介:よう
間宮千昭:遅えぞ
津田功介:わりぃ
紺野真琴:えーっと
津田功介:さっきの奴ら? 後輩 ボランティア部の
紺野真琴:ふーん!何だって?
津田功介:いやあ 紺野先輩と付き合ってるのかって
紺野真琴:ええっ?! 付き合ってないよね
津田功介:そう言っといた
紺野真琴:それで? ねえ それで?
津田功介:よく分かんないけど... 告られた
紺野真琴:やったあ!
間宮千昭:マジかよ
紺野真琴:それで何て?
津田功介:"付き合えない"
紺野真琴:ええっ!ひどーい
津田功介:待てまてぇ
紺野真琴:生で告ってんのにぃ?
間宮千昭:何で断ってんだよ 俺だったら ぜってえ付き合う
津田功介:つーかさぁ
紺野真琴:だって あの子功介が中学ん時 好きだった子に似てない?
津田功介:アッ 似てねえよ!
間宮千昭:あとで やっぱ付き合っときゃ よかったって 泣いても 遅えぞ
津田功介:もういいよ その話は
紺野真琴:じゃあね
津田功介:おう
間宮千昭:あれ お前 転車は?
紺野真琴:ちょっとね
間宮千昭:乗れ 後ろ
紺野真琴:送ってくれんの? ラッキー
紺野真琴:ホントに興味ないのかな
間宮千昭:功介がねえって言う時はねえよ
紺野真琴:ちょっとホッとした
間宮千昭:何で?
紺野真琴:彼女できたら大事にするよね
間宮千昭:そういう奴だ
紺野真琴:そしたら野球できなくなるもん
間宮千昭:キャッチボールだけじゃ 野球とは言えねえよな
紺野真琴:何だかなぁずっと三人でいられる気がしてたんだよねぇ
遅刻して 功介に怒られて 球 取れなくて 千昭にナメられて
間宮千昭:真琴!
紺野真琴:ん?
間宮千昭:俺と... 付き合えば?
紺野真琴:止めて... ちょっと 止めて...
紺野真琴:何それ?
間宮千昭:あ?
紺野真琴:今の何?
間宮千昭:付き合おう
紺野真琴:どっからそういう話になったのよ
間宮千昭:功介に彼女ができたらって話 俺 そんなに顔も悪くないだろ?
紺野真琴:マジ?
間宮千昭:マジ
紺野真琴:ウッ... わっ ちょ ちょちょ ちょちょ ちょっと 待って!
(女子中学生の話声)
間宮千昭:...んだよ うるせぇなァあ? 真琴??
紺野真琴:わああああああっ! イタッ!
(二人の驚く声)
津田功介:ああ?
間宮千昭:何やってんだよ お前
紺野真琴:何にも?!
間宮千昭:あとで やっぱ付き合っときゃ よかったって 泣いても 遅えぞ
津田功介:もういいよ その話は
間宮千昭:じゃあな
津田功介:おう
間宮千昭:あれ お前 転車は? 乗れよ 後ろ
紺野真琴:ゴクッ
間宮千昭:俺の先越しやがって 功介の奴
紺野真琴:別に彼女ができたって 決まったわけじゃないじゃん
間宮千昭:今は ああ言ってっけど 女できたら絶対 女取るぜ あいつ
紺野真琴:そうとも限らないよ
間宮千昭:クッソー 功介いねえんじゃ キャッチボールしか できねえじゃん
紺野真琴:だからさ そういうことは 功介に彼女ができてから考えたら?
間宮千昭:まあ できたらできたでいっか? そしたら真琴
紺野真琴:あっ!
間宮千昭:俺と付き合えば?
紺野真琴:だから その話はっ!
間宮千昭:今は ああ言ってっけど 女できたら絶対 女取るぜ あいつ
紺野真琴:そっ それより うちの妹がバカでさあ~
間宮千昭:あ? 俺は功介の話をしてんだよっ
紺野真琴:うちの妹の話しようよぉ
間宮千昭:功介に彼女ができたらさあ
紺野真琴:うちの妹がさーーっ!
間宮千昭:俺と付き合わねえー?
間宮千昭:あとで やっぱ付き合っときゃ よかったって 泣いても 遅えぞ
津田功介:もういいよ その話は
間宮千昭:あれ? 真琴 乗ってけよ
紺野真琴:いい
間宮千昭:オイ 急にどうしちゃったんだよ
津田功介:何だ あいつ
間宮千昭:てめえが わりぃんだろ
津田功介:何でだよっ
芳山:真琴は千昭君が 好きなんだと思ってたけどな「千昭はやんちゃだから私がついていて
あげなきゃ」って 思ってるでしょ?
紺野真琴:そりゃ 言ったことはあるけどさ
芳山:どうしてなかったことにしちゃうのよ 付き合っちゃえばいいのに
紺野真琴:無理無理 無理無理!
芳山:何で?
紺野真琴:千昭が友達以上になってることなんか 全然 想像できない
芳山:ダメなら付き合う前に戻ればいいじゃない 真琴ならできるでしょ?
紺野真琴:いいよ やんなくて
芳山:好きって言われて 好きになちゃうこともあるのに
紺野真琴:ないから絶っ対!
芳山:そう... なかったことにしたんだ 千昭君 かわいそー せっかく想いをつたえたのに
紺野真琴:あっ
芳山:あっ でも本人は 気づいてすらいないのか...
紺野真琴:ウーン...
(生徒たちのざわめき)
早川友梨:千昭君てさ この春うちの学校来たじゃん
紺野真琴:うん
早川友梨:色んな学校 転々としてたんでしょ
紺野真琴:らしいよ
早川友梨:帰国子女って噂 ホント?
紺野真琴:それはない! わりとバカだし
早川友梨:ないんだ
紺野真琴:ないない
早川友梨:前の学校で何かあったのかな
紺野真琴:自分で聞けば
早川友梨:メアドとか知らないし
紺野真琴:同じクラスでしょ?
早川友梨:真琴 千昭君と仲いいじゃん
紺野真琴:そんなこと聞かないよ それに仲よくないし 別に
早川友梨:ウソ
紺野真琴:ウソじゃないよ
早川友梨:だって...
高瀬:ギャ~ッ
(加藤たちの笑い声)
高瀬:わあっ
加藤たち:ちょ 貸して 貸して 貸して
高瀬:やめろよ それ アアッ アーッ
早川友梨:消火器の腹いせよ
紺野真琴:やめなよ もう!
高瀬:ウウッ ウッ ウウッ~~
加藤たち:ほら 見ろ ケツ向けてんぞ
(加藤たちの笑い声)
加藤:オイ 誰だよ
紺野真琴ㆍ早川友梨:えっ
加藤たち:ウッ 間宮だ
間宮千昭:まだやるの?
紺野真琴:ハッ...
加藤たち:またな 高瀬 じゃあなーっ
(加藤たちの笑い声)
間宮千昭:ひでえな ビショビショだ
早川友梨:大丈夫? 高瀬君
高瀬:昨日はコーラかけられたぞ お返しにコーヒー牛乳かけてやったけどな
早川友梨:そうゆうことするから またやられるんじゃん ねえ
間宮千昭:ヨォ 真琴見たかよ 昨日のナイター やっぱすげえよな 斎藤の抑え ん?
紺野真琴:え?
間宮千昭:今目ェそらしたろ
紺野真琴:そらしてないよ
間宮千昭:何 たくらんでんだ
紺野真琴:何にも
間宮千昭:何だよ 言えよ 何たくらんでんだよっ
紺野真琴:何でもないってばっ!
間宮千昭:えっ? どうした?
高瀬:紺野 お前...
紺野真琴:えっ?
高瀬:何であの時 僕に天ぷら揚げろって言ったんだよっ
紺野真琴:いや... あの まさかああなるとは...
高瀬:お前のせいだ バカ!
間宮千昭:ああ?誰がバカだ グダグダ言ってっと投げっぞ
紺野真琴:ちょっとォ
高瀬:おぉ 投げろよ
高瀬:ウッ
間宮千昭:わりぃ 投げちった
高瀬:バカッ!
間宮千昭:失礼な奴だな人をバカ呼ばわりかよ
紺野真琴:千昭も私のこと"バカバカ"言うじゃん
間宮千昭:俺のは愛情表現だから
紺野真琴:......
間宮千昭:突っ込めよ お前 さみぃだろ 俺がこいつ今日調子悪くない?
早川さんもそう思うでしょ
早川友梨:えっ あっ... そうですね
間宮千昭:何で敬語?
早川友梨:いや だってあんまり しゃべったことないし
(♪~ )
間宮千昭:真琴
(自転車の音)
津田功介:いないよ
間宮千昭:何でいねんだよ
津田功介:何かあった?
間宮千昭:はあ? ねえよ 何も
津田功介:どうでもいいこと言って 怒らせたんだろ 足デカいとか言うなよ 気にしてるんだから
紺野真琴:何もねえって! ねえよ! ねぇよな?
津田功介:ウッ
間宮千昭:おっ
津田功介:投げろよ!
間宮千昭:考えながら投げらんねぇダメだ!分っかんねェッ
(携帯のバイブ音)
紺野真琴:ウーン... 何だ 友梨か"すっごいいいことあったよ"いいこと?
(携帯のバイブ音)
美雪:ハイ うん うーん ちょっと待って うん うん
(携帯を閉じる音)
紺野真琴:何なんだよ
(チャイムの音)
紺野真琴:早く行こ 売り切れちゃうよ
早川友梨:えーと... 何か 今日 調子 悪くて...
紺野真琴:ウソ 保健室 行く?
早川友梨:ああっ 大丈夫 平気平気
(セミの鳴き声)
(♪~ )
生徒:おい 急げ 急げ! 見物だぜ こりゃ
(生徒たちのざわめき)
紺野真琴:ハッ...
加藤たち:うわああああっ
加藤:や... やめろ 高瀬!(咳)
高瀬:"やめろ"って言ったって やめなかったのは そっちだろぉ
加藤:俺たちが悪かった
高瀬:悪いと思ったら最初からやるな!
生徒:やべエよ アイツ... 先生 誰か呼びに 行った?
紺野真琴:高瀬君 やめなよ 高瀬君!
高瀬:紺野...
紺野真琴:ハッ...
高瀬:お前 僕に命令しただろ
紺野真琴:し...してませんよ
高瀬:しただろっ!
生徒たち:うわあっ
紺野真琴:ウッ
(消火剤が切れる音)
高瀬:ウン?あれ? クッ... 何で? クソッ クソッ クソォォ
紺野真琴:ハッ
(生徒たちの驚く声)
高瀬:ぬぬぬぬぬ...
生徒:おい やめろ 高瀬!
紺野真琴:や... や... やめ...
間宮千昭:高瀬
高瀬:うわあああああああっ!
紺野真琴:ハッ... うっは? 千昭! 千昭!!
紺野真琴:ハッ
間宮千昭:うわっ
早川友梨:グワッ
生徒たち:ぎゃあ~!
紺野真琴:はっ
生徒(女1):大丈夫?
生徒(男1):すげえ音したぞ
生徒(男2):何年だ?
生徒(女2):先生を早く!
高瀬:僕は悪くないぞ 僕は 僕はぁ!
生徒(女1):友梨! 友梨!
生徒(女2):大丈夫?
(友梨の泣き声)
保健の先生:泣かないで そんなにひどくないから
早川友梨:傷が残ったら どうしよう
紺野真琴:そしたら 私が何とかする
早川友梨:何とかって?
紺野真琴:何とかするから
保健の先生:ちょっと男子は...
間宮千昭:痛ぇの?
早川友梨:うん
紺野真琴:見せてみ
早川友梨:イヤ
間宮千昭:いいから
早川友梨:ありがとう
(セミの鳴き声)
間宮千昭:わりぃ マジで
紺野真琴:ええっ どうして?
間宮千昭:だからわりぃ マジで。
津田功介:...ったく、最初のデートからナイター行くかよ。
紺野真琴:3人で行こうって言ったじゃん。楽しみにしてたのにっ。
間宮千昭:だからわりぃって 早川さんも ナイターでいいって言うしさ。
津田功介:...で付き合うの?
間宮千昭:当然じゃん。
紺野真琴:えっ? イタッ タッ...
津田功介:大丈夫か 真琴。
紺野真琴:マジで?
間宮千昭:ダメ? まあ何つーの? 俺の趣味を理解してんだよ友梨ちゃんは。
紺野真琴:よかったじゃん!
間宮千昭:オイ バカ どこ投げてんだよ。
(セミの鳴き声)
父:ただいまー フウッ あれ ごはんは?
母:今炊いてます。
父:何で?
妹:お姉ちゃん全部食べちゃった。
紺野真琴:もう! 何 あいつ。 私に好きだって言ったくせに ウッ ウッ ウウッ ウウッ
ウウッ ウウッ ウウウウッ (荒い息)
ハッ 死ぬとこだった。ウン? お? ウン? 何だろ これ "きゅうじゅう"?
(生徒たちのざわめき)
津田功介:真琴!
紺野真琴:わっ イタッ 放してえ アアッ...
所美:やられましたね これは。一杯食わされたわね。
盛子:世の中ウソだらけよ。
果穂:ハアッ...
(セミの鳴き声)
津田功介:二人じゃキャッチボールしかできねェなあ。
津田功介:明日は千昭引っ張ってこようぜ。
紺野真琴:友梨に悪いよ。
津田功介:真琴が寂しがってるって言えば絶対来るってあいつ。
紺野真琴:別に寂しくないしっ。
津田功介:千昭真琴に振られたから早川さんにしたんじゃないの?
紺野真琴:振ってないよ!
津田功介:へ~っ
紺野真琴:何よ へ~って
津田功介:ウッ やれやれ...
紺野真琴:こういう攻介は彼女作んないの?
津田功介:俺が彼女作ったら真琴が独りになっちゃうんじゃん。
紺野真琴:えっ
(セミの鳴き声)
和子:真琴は攻介君が好きなんだとおもってた。困った時に助けてくれるのはいつも
攻介君でしょ?
紺野真琴:攻介は誰にでもそうだよ。
和子:付き合っちゃえば?
紺野真琴:何でそうなるの。
和子:だからさ、うまくいかなかったら元に戻せばいいんだって。
紺野真琴:そんなこと絶対にしないから!
和子:どうして?
紺野真琴:人の気持ちもってあそぶなんて...
和子:そんなひどいことできない?
紺野真琴:え?
和子:ちょっと過去に戻れるからってやりたい放題。今までさんざんやってきたじゃないの。
紺野真琴:え~っ、そんなふうに思ってたの?
和子:まあね
紺野真琴:魔女だ...やっぱり魔女おばさんだ。 あっ この絵。
和子:気がついた?
紺野真琴:うん。おばさんがずっと直してた絵だもの。
和子:長く見てると何だかとっても緩やかな気分になる不思議な絵。
紺野真琴:うん
和子:作者も分からない美術的価値があるかどうかも今のところは分からない。
ただ修復の過程で分かったことが1つ。この絵が。
描かれたのは何百年も前の歴史的な大戦争と飢饉の時代。
"世界"が終わろうとしてた時、どうしてこんな絵が描けたのかしらね。
♪~~ ♪~~ ♪~~
福島:どうすんだ 紺野。進路希望書出してないのお前だけだぞ。
福島:紺野
紺野真琴:ウン?
福島:紺野 紺野!!
紺野真琴:はいっ
福島:模試の成績よかったからって調子に乗ってんじゃねェぞぉ。
紺野真琴:はーい
紺野真琴:おっかしいなァこのあいだには"きゅうじゅう"って書いてあったような.... あっ
果穂・盛子・所美:あっ
盛子:そうだ。本人に聞きなよ
果穂:えっ でも...
紺野真琴:何?
果穂:ちょ ちょ ちょっとぉ
紺野真琴:うわわっ なになになにないなに?
盛子:紺野先輩、私たちボランティア部の者でして
所美:折り入ってお聞きしたいことがあるんですが...
果穂:なっ何でもないです...
盛子:最近 攻介先輩と!
所美:いつも一緒ですよね!
紺野真琴:えっまあ...
果穂:やめてぇ...
盛子:やっぱ先輩たち付き合ってんですかっ?
所美:付き合ってんですかっ?
盛子・所美:付き合ってんですかっ!
(セミの鳴き声)
果穂:まだ私が中学の時です。うちのおばあちゃんのいる老人ホームに倉野瀬高校
ボランティア部がやって来たことがあったんです おばあちゃんはその中のある人をすごく
気に入って 何度もその人のことを私に話してくれるんです。
"とっても優しくてステキな人だったよ"って 繰り返し何度も...
あんまり何度も話してくれるものだから 会ったこともないその人のことが私
段々好きになってきてしまって...
紺野真琴:あら かわいい話
果穂:高校に入って知りました その人は津田攻介っていうんだって
紺野真琴:へーっ、そんなこともあるんだね
盛子:ところがこの子、ご覧のとおり引っ込み思案でしょ?
所美:私たちが何とか励まして
盛子:先日よぅ~やく告白までこぎ着けたんですが
紺野真琴:ああ、こないだの
所美:攻介先輩がいうなはぁ
紺野真琴:えっん?
盛子:"俺には心に決めた好きな女がいる!"
所美:"だからすまないが君とは付き合えない"
紺野真琴:いや あの その
所美:...とかではなくて
紺野真琴:へ?
盛子:"普段バカだと思ってる奴が俺よりいい点取りやがった"
所美:"俺もウカウカしてられない。だから"
果穂:"申し訳ないけど"って...
紺野真琴:そのバカな奴ってもしかして... 私?!
盛子:そのとき 攻介先輩
所美:紺野先輩とは付き合ってないって言ったんですよっ
盛子:あのに最近、何なんですかぁ?
所美:話が違うじゃないですかっ
盛子・所美:ちゃんと説明して下さいっ!
紺野真琴:ちょちょ ちょ ちょっと待って 分かったから 分かったから!
(咳払い)私が何とかする!
盛子・所美:何とか?
果穂:何とか...って...
紺野真琴:何とかよっ!
(荒い息)
紺野真琴:ダーーーッ!
(転がる音)
紺野真琴:アイダッ
生徒たち:な... 何だ?
果穂:あの... その...
盛子:果穂
果穂:うん... あの...
紺野真琴:攻介!
攻介:あ?
(一同の驚く声)
攻介:あれ? お前 先にグラウンド行ったんじゃねぇの?
紺野真琴:そんなことより! この子のおばあちゃんがね 老人ホームで攻介にすごく
お世話になって 感謝してるって言ってたわよやるじゃん 攻介 それでね
果穂:なっ なっ なっ 何でうちの おばあちゃん知ってるんですか?
真琴:"何で"? えーと ボウリング場で知り合って...
果穂:おばあゃん寝たきりです
真琴:あっ じゃあなくてね
攻介:話終わったら呼んで
真琴:あっ ちょ ちょっと攻介! あっ あれぇ?
(荒い息)
真琴:もう1回! ダーーーーッ!
(転がる音)
真琴:イタッ わーーっ!
果穂:あの... その...
紺野真琴:攻介!
攻介:あ?
真琴:ハッ... ヨイショ...
攻介:あれ? お前 先に...
真琴:ちょっと待って! そもそもあんた 卑怯なのよ 私の成績いいのひがんでんじゃないわよ
いい? それとこれとは別だ!
攻介:何だよいきなり現れて自慢かよ 大体"別"って何だよ
真琴:だから成績と果穂ちゃんが攻介のこと大好きなのは別ってこと!
果穂:ちっ違います!
真琴:えっ
果穂:違いますっ!
真琴:ちょちょ 果穂ちゃん!
盛子・所美:果穂!
攻介:違うんだってよ
真琴:あっ 攻介 待って あっ あ... あぁねぇ~?
(荒い息)
真琴:もっと根本的なとこから始めなきゃ うおりゃあ~~~~っ! きゃあ~~っ!
わあーっ! ターーーッ
美雪:お姉ちゃん。朝から何暴れてんのよ
真琴:もどりすぎた! しかも遅刻 ああっ
母:真琴 桃! 桃!
(真琴の寝息)
攻介:ウン?
真琴:クーッ... アッ ウウッ ウウッ...
攻介:やれやれ...
生徒たち:おーっとヘッドロック! それぃ そりゃーっ
真琴:ハッ!
生徒たち:あ? 何だ今の すげぇ
真琴:見てないで続けて あんたらそこどいて
女子の生徒:果穂!
果穂:え?
女子の生徒:何かよく分かんないけど"中庭に 来い"って
果穂:誰が?
攻介:どこ行きゃいいの? 俺に何させたいの?
真琴:行けば分かる!
友利:真琴
真琴:あとでっ
生徒たち:ウウッ ギブギブ ギブ
盛子:"中庭に来い"ってコレのこと?
所美:さあ?
生徒たち:おりゃああーーっ!
真琴:そこだっ! ダッ
攻介:うわっ ととっ あっ
(一同の驚く声)
攻介:イタタタッ お前ら 何やってんだよっ!
果穂:痛いれふ...
攻介:ん? あっ やべっ 立てる?
果穂:うん あっ...
攻介:くじいた?
果穂:あっ 平気平気
攻介:平気じゃねぇだろ
果穂:あっ 攻介先輩!
攻介:肩預けて
果穂:す... すもません
所美:どうっスかこの展開
盛子:こらはひょっとしたら...
所美・盛子:ひょっとするかもね~
紺野真琴:よっしゃあぁっ! 何だかいいことした気分じゃない? 何だろうこの幸せな感じ。
フフフフフッ ウン? また変わった! "じゅう"? 10って...
あっ ウン? "いち"?
(ピアノの音)
紺野真琴:いない。まだ時間には早いのかな。 ハッ...キターーッ...
あのすみません質問がっあっ友利。
友利:誰かと思った。
紺野真琴:何で?
友利:ノート持ってきてあげたのよ。 あんた今日日直なの忘れたでしょ。
紺野真琴:あっそっか。
友利:やっぱね...ったく。 友情には感謝しなさいよ...で質問て?
紺野真琴:ああああっ何でもない。
友利:そっ
(ドアが閉まる音)
紺野真琴:友利さあ
友利:ウン?
紺野真琴:ここに来る時誰か見なかった?
友利:誰かって?
紺野真琴:いや いいの
友利:そう (携帯のバイブ音)
紺野真琴:功介..."何か俺告られたみたい"はあ? ...ったく 誰のおかげだと思って...
ハッ... まさか...
功介:ま...こ...と...っと... 家どこ?
果穂:駅向うの南町です。
功介:病院寄ってったほうがいいよなあ。
果穂:え?
功介:俺んちこの近く何だ。
(荒い息)
友利:真琴そういえばさあ。ここ来る時すれ 違ったのはあ~ 千昭君だよ。
(荒い息)
紺野真琴:功介!
男の学生:帰ったよ。 1年女子とお手々つないでな。
(生徒の笑い声) (荒い息)
紺野真琴:ハッ ない。(荒い息) あっ 功介!!
(接続音)
功介:ああ 俺 俺 オヤジさあ。 捻挫なんだけどオヤジ治せねェ?
ああ俺じゃない うん 今から
果穂:すみません...
(電話):発信音のあとにメッセージを...
紺野真琴:もう!
(笛の音) (荒い息)
紺野真琴:アッ アッ (荒い息)どうしよう時間戻そうか?でもまだ何かが。
起こったわけじゃないんだし...
(警報機の音)(真琴の荒い息)(警報機の音)
(真琴の荒い息)(警笛)(真琴の荒い息)
人々:ウン? ん? (真琴の荒い息)
紺野真琴:ハアッ... (電車の通過音)ハッ... あれ? ハッ
(ヘリコプターの音)
(自転車のベルの音)うわっ! あっあのここで自転車事故ありませんでした?
親子連れの母:いや、ないと思いますけど...
紺野真琴:すみません...
親子連れの母:事故だって、怖いね。
(携帯のバイブ音)
紺野真琴:あっ、功介?今どこ?功介! あ...
(セミの鳴き声)
紺野真琴:千昭...
千昭:功介は自分ちだったよ...ったくおめえら グラウンド来ねえんだもん。
紺野真琴:ゴメン。
千昭:待ってるぞ。
紺野真琴:あのさ
千昭:あ?
紺野真琴:千昭にさ ずっと聞いてみなかった ことがあるんだけど...
私と野球やってて楽しい?
千昭:何だそりゃ。
紺野真琴:私は好きだよ。千昭と野球やんの。
千昭:好きなわりには全然うまくなんねえけどな。
紺野真琴:千昭だって勢いだけじゃん。
千昭:ねえよりマシだ。
紺野真琴:アハハハハハッ ハハハッ
千昭:何笑ってんだよ
紺野真琴:何だかさ 久しぶりに話すね。
千昭:何言ってんだ? 朝から話してるだろ。
紺野真琴:そっか そうだよね。
千昭:そんなに俺が恋しいか
紺野真琴:なっ何バカ!
千昭:冗談だろ?...ったく。 あのさ俺も真琴に聞きたいことあんだけど
紺野真琴:何?
千昭:すっげぇバカな質問なんだけど
紺野真琴:何よぉ
千昭:あのさ...
紺野真琴:言ってみ ホラホラ
千昭:お前"タイムリープ"してねえ? タイムリープしてるだろ おい真琴
紺野真琴:あっ あ...
千昭:真琴!
紺野真琴:ハッ...
千昭:あのさ俺も真琴に聞きたいことあんだけど,すっげぇバカな質問なんだけど,あのさ...
紺野真琴:ちょちょ ちょっと待って
千昭:あ?
紺野真琴:うちの妹の話しよう
千昭:えっ 何で?
紺野真琴:これがうちの妹がバカでさあ
千昭:オイオイ俺は今... 何でもねぇ じゃ待ってるぞ。
(電話が切れる音)
紺野真琴:何で千昭が... あっ ん? "ゼロ"... やっぱりこの数字タイムリープできる 回数だったんだ。 つまんないことに最後の1回を... まっ でもいいか
功介も無事だって分かったんだし。
功介:ヨォ真琴!
(自転車の音)
紺野真琴:ハッ!
功介:もう少し貸しといてくれェ
紺野真琴:待って! 功介!こっ...あっ アアッ アッ
おばさん:コラッ! どこに目ェつけてんだい 謝んなさいよっ コラッ!
子供:あっ
紺野真琴:あっ 止まって功介!功介!
(警報機の音)(警笛)
功介!止まってえっ!功介,功介 ウッ ハッ ハッ ウッ 功介!
功介! あっ! ううっ ああっ
人々:大丈夫か?
人々:おい ひどいケガだよ。 きゅ 救急車! 救急車! 何でこんな姿に...
紺野真琴:ウウッ... ハッ... ハッ...
(鐘の音...)
止まれ 止まれ 止まれ 止まれ 止まれ 止まれ 止まれ 止まれ 止まれ 止まれ
止まれ...止まれえええぇ~~っ!
ダッ... あ... あ... あっ あっ ど... どうなってるの?
千昭:やっぱり真琴か
紺野真琴:ハッ! 千昭どうしてここに 功介は?
千昭:まだ家だろ
紺野真琴:えっ だって今ここに ハッ! これ千昭がやったの?飛べるの? 千昭も
千昭:俺、未来から来たって言ったら笑う?
♪~ ♪~ ♪~ ♪~ ♪~
千昭:俺の時代では自由に時間を行き来できる 装置が開発されてる。
それかこれ体にチャージして使うんだ。俺はこいつのおかげでこの時代にやって来
れた。ところが俺としたことがどっかに落とすっことしちまった。
焦ったよ 四方捜し回ってようやく見つけた理科試験室で もう使用済みだったけどな。
でもよかったよ。バカにチャージされてて。
悪用されたらどう思うと夜も 眠れなかったんだ。
紺野真琴:ど... どうして?
千昭:どうしても
紺野真琴:どうしても?
千昭:どうしても見たい絵があったんだ。どれだけ遠くにあっても どんな場所にあっても、
れだけ危険でも見たかった絵なんだ。
♪~ ♪~ ♪~
俺の時代ではすでに焼失してしまった。この時代以前では 所在がどこかも分からない。
あると確実記録に残っているのは この時代のこの場所のこの季節だけだった。
紺野真琴:見るだけでいいの?
千昭:見るだけでよかった。一生忘れないつもりだった。
♪~
でどもう意味ないけどな。何もかも。
紺野真琴:え? 帰れなくなった?! ねえ それどういう意味?
千昭:だから俺のいた時代に戻れなくなった。
紺野真琴:だから何で?
千昭:功介が乗るはずだった。 お前の自転車をかっぱらってきた
分で俺にチャージされてた分はなくなちまった。
紺野真琴:ど...どうすんのよっ。
千昭:どうもしねぇし。
紺野真琴:何で使っちゃうのよっ。 使い時ってもんがあるでしょ!
千昭:使う時だったんだよ。
今にお前は知らないだろうが 功介とあの彼女1回はあの踏切で死んじまったんだぜ。
誰かさんは責任感じて泣きわめくしこうするしかなかったんだ。
♪~ ♪~
帰らなきゃいけなかったのにいつの間にか 夏になった。
お前らと一緒にいるのがあんまり楽しくてさ。
♪~
川が地面を流れてるのを初めて見た。自転車に初めて乗った。
空がこんなに広いことを初めて知った。何よりこんなに人がたくさんいるところを初めて見た。
紺野真琴:ねえ千昭、ひょっとしてあの絵と千昭の住んでた未来と何か関係があるの?
ねえ... 教えて
千昭:俺この時代好きだよ。野球もあるし。
紺野真琴:えっ、なくなっちゃうの? 野球。
千昭:どこ見てんだよ。バーカ。
紺野真琴:あっもう! 何遊んでんの。あの絵さぁ
千昭:あ?
紺野真琴:あの絵さぁ
千昭:おう
紺野真琴:もう少ししたら見れるんだ。 今はまだ直してるところだけど 一緒に行こう!
功介と3人で、だってこれから夏休みだよ。 ねえ 千昭 千昭
千昭:わりぃ 無理だ。
紺野真琴:えっ
千昭:俺、明日から姿消すから
紺野真琴:な...何で?
千昭:過去の住人に"タイムリープ"の存在を 知らせてはならない。
俺はルールを犯した。だからお前とはもう会えない。
紺野真琴:私 黙ってるよ! 誰にも言うわけないじゃん 千昭 どこ?
ねえ 千昭... 千昭... 千昭... ナイター一緒に行くって言ったじゃん!
千昭:スマン
紺野真琴:花火大会も行くって言ったじゃん!
千昭:申し訳ねぇ
紺野真琴:私の浴衣姿見たくないってのね?
千昭:ゴメン それ ちょっと見てぇ
紺野真琴:バカッ! 千昭...! 千昭! (街の喧騒)千昭 ちょっと待って 千昭!
(信号の音)(車の音)(生徒たちのざわめき)
女子生徒たち:千昭君自主退学って何で? 借金あってヤクザに 追いかけられてたらしいよ。
そうなの? 親が離婚とかじゃなくて?
一回り上の女と結婚するって子供できちゃったんだってよ。
女子生徒たち:えーっ マジ~? ねえ、どうなのよ 真琴 あっ
功介:そういう奴じゃねェよ!
男子生徒A:カットなって刺しちゃったらいじゃん。 バットでメッタ打ちって聞いたぜ。
ハハハハッ ナイフでブスッと...
功介:だからっそういう奴じゃねえって!
男子生徒たち:おい 功介 おい 功介 (セミの鳴き声)
功介:どうなってんだよ。 俺はともかく真琴にもひと話もなしかよ。
あいつ真琴のこと好きだったくせに。
紺野真琴:千昭がそう言った?
功介:見てりゃ分かるさ。気づかなかったか? まぁ 真琴はそういうの苦手だもんなあ。
だから言いだせなかったんじゃねェのかなあ。
紺野真琴:功介...
功介:ん?
紺野真琴:最低だ 私。
功介:え?
紺野真琴:人が大事なこと話してるのに それをなかったことに しちゃったの。
何でちゃんと聞いてあげなかったのかなぁ。
(真琴の泣き声)
功介:真琴... 何の話だ?
紺野真琴:ウッ ウッ
功介:お... おい!
(真琴の泣き声)
学生:おっ
(泣き声...)街の喧騒)
和子:落ち着いた?私ね、ホントは真琴は功介君とも千昭君ともどちらとも
友達のままだって思ってた。
どっちとも付き合わないうちに卒業して、いつか全然別な人と付き合うんだろうなって。
紺野真琴:私も昨日までそう思ってた。
和子:でもそうじゃないのね。高校の時初めて人を好きになった。
会ってすぐ仲良くなったの。まるで子供の頃から知ってる見たいだった。
和子:大人になる前にダメになっちゃったけど。
紺野真琴:どうして?
和子:タイミングが悪かったのよ、きっと。
紺野真琴:今その人どうしてる?
和子:どうしてるんだろ。いつか必ず戻ってくるって言ってた。
待つつもりはなかったけど こんなに時間がたっちゃった。
長くはなかった。あっという間だった。
でも真琴、あなたは 私みたいなタイプじゃないでしょ?
待ち合わせに遅れてきた人がいたら走って 迎えに行くのが。あなたでしょ?
(風鈴の音)
父:真琴 スイカ!
母:お父さん
父:あいつどうしたんだ。 飯食わずスイカも食わず。
妹:失恋よ 失恋。
父:まさか?!
母:美雪 余計なこと言わないの。
(風鈴の音)
和子:待ち合わせに遅れてきた人がいたら走って 迎えに行くのが。 あなたでしょ?
紺野真琴:えっ...うわっ何で? ゼロだったはずなのに...あっ まさか... (真琴の荒い息)
母:真琴!
妹:お姉ちゃん!
父:早まるな 真琴!(荒い息) 真琴! (荒い息)
紺野真琴:あの時 千昭が時間を戻したから、ならっ 千昭だって同じはず!
あばさん:あら、マコちゃん。
紺野真琴:千昭だって!
(真琴の荒い息)
あっいいっっけえええええっ!ハッ...!
♪(挿入歌 変わらないもの)
紺野真琴:ハッ...!
先生:はいみんな静かに静かに!
千昭:あ? おめえ誰だ?
功介:俺は津田、こっちは紺野、転校生の間宮 千昭君。
千昭:紺野ォ? ちょっとガラ悪いけど仲良くね。
功介:真琴こっち来いよぉ。
千昭:じゃあな 真琴。
功介:おい聞いたか。あいつ名前で呼んだぜ。
千昭:真琴、俺と付き合えば? 功介に彼女ができたらって話し。
俺そんなに顔も悪くないだろ?
紺野真琴:ウウッウッウッ...うわっ!ああっ ウウッウウウッ... ハッ...
友利:真琴? 大丈夫? 千昭君てさぁ。 休みの日とか何してるのかな。
まさか1日中野球やってるわけじゃないよね。
紺野真琴:友利
友利:へ?
紺野真琴:私さ、友利に言えなかったことがある。
友利:何?
紺野真琴:私千昭のこと好きだ。 ごめん。
友利:そっか、そうだと思った。
友利:さっきここ来る時千昭君とすれ違ったよ。 行きな。
紺野真琴:うん。
(ドアの開閉の音)
友利:真琴、"タイムウェイツフォーノーワン"
功介:真琴!
紺野真琴:功介... 千昭は?
功介:待ちくたびれて先にグラウンド行っち 待った。 イライラしてんぞ。早く行こうぜ。
紺野真琴:彼女、ほっといていいの? せっかく私が...
功介:彼女? 誰の?
紺野真琴:そっか、全部戻っちゃって...
功介:何の話をしてんだよっ。
紺野真琴:いや そのぉ... あっ
功介:あ?
(盛子・果穂・所美の慌てる声)
紺野真琴:あのさあ、あの子たちも野球誘わない?
功介:はあ?
紺野真琴:行って誘ってきてよ。
功介:何でだよ。
紺野真琴:だってたくさんのほうが楽しいんじゃん。
功介:お前、あいつらのこと知ってんの?
紺野真琴:まあね、それとさあ。
功介:え?
紺野真琴:私の自転車使ったら5000円!
功介:はあ?!
紺野真琴:いい? 5000円だからね。
功介:おい どういうことだよっ。
紺野真琴:一緒に野球やりましょうってちゃん というのよ。あとさあ。
功介:あ?
紺野真琴:待っててくれてありがとう!
功介:真琴!
紺野真琴:えっ?
功介:前見て走れ
紺野真琴:おう!
功介:フウッ...
(荒い息...)(セミの鳴き声)(真琴の息)
千昭:遅ぇよ、功介は?
紺野真琴:来ない。
千昭:あ? 何だと あの野郎。えっ...どこにあった?いや、お前これが何だか分かってんのか?
紺野真琴:分かってるよ。
千昭:誰に聞いた?
紺野真琴:千昭に。
千昭:俺しゃべってねえよ。しゃべるわけねえじゃん。
紺野真琴:全部話してくれたよ。 千昭の住む時代のこととか、こらが何だってこととか全部。
千昭:お... おい。
紺野真琴:やっぱり よかった...
千昭:お前どっから来た?
紺野真琴:未来から。
千昭:飛べんのか?
紺野真琴:もう飛べない。
千昭:話ちゃったのか 俺。
紺野真琴:うん。
千昭:信じたの? お前。
紺野真琴:うん。
千昭:バカじゃね?
紺野真琴:そうかも。
千昭:そんなこと言いにわざわざ来たのかよ。
紺野真琴:うん。
千昭:ハアッ... 何で話しちゃうんだよ、俺のバカ...
♪~ ♪~ ♪~
紺野真琴:あの絵、未来へ帰って見てね。 もういなくなったり、燃えたりしない。
千昭の時代にも残ってるように 何とかしてみる。
千昭:ああ よろしく頼むよ。帰らなきゃいけなかったのにいつの間にか 夏になった。
お前らといるのがあんまり楽しくてさ。
紺野真琴:そんな言い方してなかった。
千昭:じゃあ 何て? ん?
紺野真琴:言わない。
千昭:何でだよ。なあ、俺何て言ったんだよ。
紺野真琴:言わない。
千昭:教えろよ。気になるだろ? なあ。
少年たち:あっ、カップルだ。
真琴・千昭:わっ
少年たち:カップルだ。 ヒューヒュー熱いね!カップルカップル!
千昭:つっせえ バカ!
少年たち:わっ、早く逃げようぜ。
(少年たちの慌てる声)
千昭:ハアッ... 攻介によろしくな。 挨拶できなくてわりぃって。
紺野真琴:うん。
千昭:あとさ、真琴。
紺野真琴:何?
千昭:ずっと実は言おうと思ってたことがあるんだけどさ。お前さ... 飛び出してケガとかすんなよ。
紺野真琴:ハッ... はあ... ?
千昭:だから注意力が足りねえんだから 行動する前にもっと考えろよな、うん。
紺野真琴:何それ、最後の最後にそれぇ?
千昭:バカ、心配してやってんだろ。
紺野真琴:分かったよっ! 心配してくれてありがとう。だから早く行ってっ!
千昭:何 怒ってんだよ。
紺野真琴:行ってって。
千昭:じゃあな。
紺野真琴:じゃあなっ!
(カップルの話し声)
ハッ...(泣き声)何でだろ?(泣き声)
千昭:未来で待ってる。
紺野真琴:うん、すぐ行く。走って行く。 (飛行機の音)
攻介:真琴..真琴。おい 真琴! ...ったく。 どうなってんだよ。
俺はともかく真琴にもひと話もなしかよ。
攻介:それがいきなり留学するから退学しますだとぉ? ふさけんなって!
果穂:ああっすみませーん。あっ。
盛子・所美:果穂、ドンマーイ。
紺野真琴:やりたいことが決まったんだよ、きっと。
攻介:お前、何か聞いてたのか?
紺野真琴:別に 何も。
果穂・盛子・所美:それっ あっ... ごめん。 果穂、腕力なさすぎぃ。
攻介:やれやれ...
紺野真琴:私もさ、実はこれからやること決ったんだ。
攻介:へーっ 何?
紺野真琴:ヒ・ミ・ツ!
攻介:は? 何だよそれ。
紺野真琴:ハハハッ フッ。また今度ね。
♪~~
所美:紺野センパーイ!
紺野真琴:おーーっ!
盛子:それっ。
紺野真琴:ナイス返球! 行くよっ それっ!
♪(主題歌 ガーネット)
─ 終り ─