建築家ガウディが設計し…
毎日新聞2026/6/13 東京朝刊有料記事609文字
サグラダ・ファミリア大聖堂の主塔「イエス・キリストの塔」が完成したことを記念して執り行われたミサ=スペイン・バルセロナで2026年6月10日、ロイター
建築家ガウディが設計し、着工144年で「イエス・キリストの塔」完成をみたサグラダ・ファミリア大聖堂。高さ172・5メートルと世界一高い教会となったが、所在地スペイン・バルセロナのモンジュイックの丘より少し低い。「神の創造した自然を人間は超えてはならない」思想に基づくとの言い伝えがある▲考えさせられるニュースだ。人工知能(AI)を開発する米アンソロピックは、AIの開発を遅らせたり一時停止したりする選択肢を持つよう提言した。AIが人間の手を離れ制御不能になることを防ぐためという▲同社は、システムの安全上の弱点を見つけられる先端AI「クロード・ミュトス」で知られる。システムのプログラムへの多くの記述は今や生成AI「クロード」が担う。ルールを確立しないとモラルに反する更新を重ね暴走しかねない、というわけだ▲もっとも、開発へのブレーキは、競合他社の同調が前提という。先行者が優位を確保する核不拡散の論理に何やら似ている。とはいえ、ヒトの作った物が人類の脅威になりかねないとの警告であろう▲塔の高さといえば、旧約聖書のバベルの塔の物語を思い起こす。天まで届く塔を造ろうと人が増長したため、神の怒りにふれてしまう▲ガウディの没後100年を迎えたサグラダ・ファミリアの工事はこれからも続く。「私の施主(神)は急いでいない」とガウディは考えていたとされる。スローペースも、巨大建築がかもしだす調和のひとつの要素かもしれない。
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