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세계에서 진행되는 미국 이탈

작성자청소부|작성시간26.06.18|조회수5 목록 댓글 0

論点

 

世界で進む米国離れ

毎日新聞2026/6/17 東京朝刊有料記事4487文字

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 トランプ米大統領が既存の世界秩序を壊し、米国第一主義で突き進もうとする中、世界は着実に米国離れを始めている。トランプ政権から敵意さえ向けられる欧州は何を画策しているか。米中2大国のはざまで苦しむ東南アジア各国の意識の変化とは。一方、相対的に評価を上げているとされる中国の周辺では何が起きているのか。

リベラル価値観譲れぬ欧州 伊藤さゆり ニッセイ基礎研究所常務理事

 

伊藤さゆり・ニッセイ基礎研究所常務理事=宇田川恵撮影

 トランプ米政権の根幹は、民主党政権が重視してきた「DEI(多様性、公平性、包摂性)」などリベラルな価値観を真っ向から否定することだ。一方、欧州は欧州連合(EU)の統合に象徴されるように、基本的にリベラルな価値観を共有しており、この価値観を前面に打ち出すグローバルなアクターと言える。

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 つまり、トランプ政権と民主党との米国内の対立構図が今の米欧関係に反映しており、米欧の対立は激化しやすくなっている。

 日本を含めた多数の国は「法の支配」などを重視はしても、経済的な実利主義で動くことが多い。しかし欧州にとってリベラルな価値観はある意味、実利よりも譲れない存在だ。これを守ろうという動きが欧州内で広がっている。

 

 

 

 4月のハンガリー総選挙で、長く強権政治を続けたオルバン前首相の与党が大敗したのもその表れだ。米国は昨年末、「国家安全保障戦略」を公表し、欧州の愛国主義政党の支持を明記した。その代表格がオルバン前政権だった。同政権を拒否し、政権交代を実現させたのは「米国の思い通りにはさせないぞ」という民衆レベルの強い気持ちがあったからだと思う。

 トランプ政権はこれまで、ドイツの極右政党「ドイツのための選択肢」など愛国主義政党を支援してきたが、こうした政党にも変化が見える。トランプ政権がさまざまな混乱を招き、欧州では同政権の後押しが歓迎されなくなる中、少し距離を置こうとしているのだ。「ファシスト党」の流れをくむ政党党首であるイタリアのメローニ首相が3月、イラン攻撃を巡り、良好な関係にあるトランプ政権を批判したのもその一環だろう。

 

 ただ、安全保障面で欧州は米国との連携は避けられない。第2次トランプ政権発足後、米国はウクライナ支援を一時、中断した。インテリジェンス(情報収集・分析)機能まで止めるという米国の無秩序な対応に欧州は衝撃を受け、危機意識が一気に高まった。その結果、北大西洋条約機構(NATO)加盟国が防衛費を国内総生産(GDP)比5%に引き上げるという、かなり無理な米国の要求をのむことになった。何とかして米国を引きとめるためだ。

 しかし今回の米国の一方的なイラン攻撃への反発は強く、米欧の亀裂は深まっている。米国との決定的対立は回避しつつも防衛費増額を含め自立性を高めねばならないとの思いを欧州は強めている。

 

 一方、経済面では米国依存からの脱却を模索している。2029年をめどに導入準備が進む中銀デジタル通貨「デジタルユーロ」の狙いの一つは世界の基軸通貨であるドルや米国の金融インフラに依存するリスクを減らすことにある。

 また、域外との自由貿易協定(FTA)交渉を一気に加速している。今年1月にはEUと南米の関税同盟メルコスル(南米南部共同市場)がFTAに署名した。約26年間も放っていた交渉が結実したのは、米国が自由貿易を壊すのに対し、ルールに基づく貿易環境を整えようと欧州が努力している結果だ。【聞き手・宇田川恵】

米中に依存望まぬ東南アジア 助川成也 国士舘大教授

 

助川成也・国士舘大教授=宇田川恵撮影

 東南アジア諸国連合(ASEAN)は1期目のトランプ米政権をむしろ歓迎していた。米国の主な攻撃対象は中国に絞られており、米中対立の裏で、世界の投資が中国からASEANに移るなど「漁夫の利」を得たことが大きい。

 しかし2期目のトランプ政権の姿勢は変わり、同盟国まで攻撃し始めた。米国にとって重要なのは中国に対する貿易赤字の解消だ。東南アジア経由で米国に流入する中国製品を抑えなければ問題は解決しないとし、米国はASEAN自体に厳しい目を向けた。実際、相互関税で各国に激しい要求を突きつけ、各国は米国市場への参入が厳しくなっている。

 この4月、シンガポールの機関が発表したASEANの有識者調査では、米中どちらかと連携せざるを得ない場合、「中国を選ぶ」との回答が半数を超えた。自由貿易で成長してきたASEANにとって、既存の秩序を壊そうとする米国への不信感は増している。

 ただ、これでASEANが中国寄りになるわけでもない。経済では中国依存を深めても中国への不信感は相当根強いからだ。南シナ海を巡るフィリピンとの領有権争いが象徴的だが、中国は政治的、軍事的に大きな脅威であり、各国は依存と警戒を同時に抱えている。

 有識者調査で中国支持が過半となったのも、米国に対する不信感が相対的に中国の評価を押し上げた結果と見るべきだ。米中いずれも安心できず、どちらにも過度に依存したくないというのがASEANの本音だろう。だからこそ今、ASEAN自身の結束や能力を強化し、自立性を高める必要性が強く意識されてきている。

 ASEANは欧州連合(EU)のように各国が主権の一部を移譲した組織ではなく、国々の緩い集まりだ。そのため米国との相互関税交渉でも共同戦線を張れず、個別に交渉して厳しい結果となった。地域協力で中心的役割を果たすという「ASEAN中心性」を掲げながら、強みであるはずの集団交渉機能を発揮できず、個別撃破される現状に、このままでいいのかという反省も出ている。

 ASEANの設立は、1960年代にベトナム戦争が深刻化し、共産主義勢力の拡大に危機感を強めた国々が共同防衛しようとしたのがきっかけだ。トランプ政権後の米国が自由貿易の旗手に戻るか不透明な中、発足時のような危機感が強まれば、より強い統合に向けた議論が始まる可能性はある。

 ASEANが求めているのは米中に従属しない第三の勢力であり、自由貿易を掲げる日本と密接に連携したいと本気で思っている。しかし「日本は米国寄り」と見透かされてもいる。インドネシアなどイスラム教の国はパレスチナ・ガザ地区を攻撃するイスラエル寄りの米国に不満もあり、米国追随に見える日本への信頼も揺らいでいる。日本が米国追随から脱却する意味は大きい。日本はASEANが米中どちらにも過度に依存せずにすむ環境を整え、自由貿易と法の支配を支える「第三の選択肢」であるべきだ。【聞き手・宇田川恵】

「G2」を目指す習近平政権 青山瑠妙 早稲田大大学院アジア太平洋研究科教授

 

青山瑠妙・早稲田大大学院アジア太平洋研究科教授=内藤絵美撮影

 中国は、自国が主導してきた「上海協力機構」(SCO)や新興経済国の集まりである「BRICS」などの、新たな国際的な枠組みを非常に重視している。これらの組織は、米国をはじめとした西側先進国が一切入っていないのが特徴だ。SCOやBRICSを足がかりに、グローバルサウス(新興・途上国)の盟主として西側主導の国際秩序を切り崩していく。これが中国の世界戦略だ。

 中国は先進国主導の既存の国際秩序、国際組織に参加し、その中で影響力を強めることを目指してきた。国連安全保障理事会の常任理事国で既存の秩序の中でもそれなりの影響力を発揮でき、今後も既存の国際組織を壊すような行動は取らないだろう。

 一方で、2007年から08年に起きた米国発の国際金融危機は、大きな転機となった。中国は、西側先進国の国力の衰退と途上国の台頭を強く認識し、「中国とドイツが世界経済のエンジン」と言われ自身の国力にも自信を深めた。危機を契機に、それまでバイラテラル(2カ国関係)で接近していたグローバルサウスの国々に、マルチラテラル(複数国の枠組みでの関係)で関係強化を図るようになった。

 SCOは01年、中国とロシア、中央アジア4カ国が上海で開いた首脳会談で発足した。17年にインドとパキスタン、23年にイランが加盟。現在、ベラルーシを加えた加盟10カ国の人口は34億人を超え、国内総生産(GDP)は世界の4分の1を占める。オブザーバー国、対話パートナー国を含めれば計27カ国に上り、サウジアラビアやエジプトなど中東、アフリカにまで広がっている。

 実際にはSCOは、独自の外交政策をとるインドの加盟などで、何も決められない機能不全の状態に陥っている。だがSCOが機能不全でも、先進国中心の既存の国際秩序に不満を持つグローバルサウスの国々の集まりは、中国にとって米中対立で協力してくれる、あるいはその圧力を回避するための支持基盤として、重要な存在になってくる。

 そのロジックは、新興経済国のブラジル、ロシア、インド、中国の4カ国でスタートし、南アフリカ、アラブ首長国連邦、インドネシアなどを加え計10カ国にまで拡大したBRICSにも当てはまる。

 中国は今後もSCOやBRICSの拡大努力を続けるだろう。だが米中対立が厳しさを増す中、SCOやBRICSに参加することは、中国陣営に入ったとレッテルを貼られる可能性があり、拡大の流れは一旦収束しそうだ。

 これまで中国は、中国と米国という二つの超大国が世界を主導する「G2」の考え方を否定してきた。だが5月のトランプ米大統領訪中時の習近平国家主席の言動はG2の指導者そのもの。中国が目指すのは「G2」だ。

 中国からみれば、厳しい対中政策で一致する米国内で、トランプ政権は最もハト派に見えるだろう。ウクライナや中東の紛争で対中封じ込めが緩んでいる間に、もう一度経済を立て直し力を蓄えていくというのが、習近平政権の戦略だ。【聞き手・西尾英之】


米の国家安保戦略

 トランプ米政権は2025年12月、外交や安全保障政策の指針となる「国家安全保障戦略」(NSS)を公表した。中国の覇権主義的な行動を直接批判しない半面、同盟国である欧州については「文明消滅」の危機に直面している、などと厳しく非難した。一方で、北米や中南米など西半球への関与を強調。世界全体への関心を失い、経済を最優先に自国第一主義で臨む姿勢を示した形だ。


 「論点」は原則として毎週水、金曜日に掲載します。ご意見、ご感想をお寄せください。 〒100-8051毎日新聞「オピニオン」係 opinion@mainichi.co.jp


 ■人物略歴

伊藤さゆり(いとう・さゆり)氏

 早稲田大大学院商学研究科修士課程修了。日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)を経て、2001年、ニッセイ基礎研究所入社。専門は欧州の政策、国際経済・金融。


 ■人物略歴

助川成也(すけがわ・せいや)氏

 1992年中央大経済学部卒業後、日本貿易振興機構。計11年に及ぶタイ駐在などを経て、2020年から現職。九州大で博士号取得(経済学)。泰日工業大(タイ)客員教授を兼務。


 ■人物略歴

青山瑠妙(あおやま・るみ)氏

 1994年慶応義塾大商学部卒。米スタンフォード大、米ジョージ・ワシントン大客員研究員などを経て2017年から現職。専門は中国の対外政策、日米中関係など。

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