1977年にテレビ放映された…
毎日新聞2026/6/21 東京朝刊有料記事620文字
住宅地に出没したアライグマ=茨城県取手市で2023年5月26日、中村琢磨撮影
1977年にテレビ放映された人気アニメ「あらいぐまラスカル」は、「はるかなるわがラスカル」(スターリング・ノース著)という児童書が原作だ。著者は少年時代、アライグマの子どもを1年間飼い親しむが、成獣に近づき飼育の困難を悟り森に返す。アニメもこれに沿っていた▲北米などが原産だが愛嬌(あいきょう)ある風貌から日本にペットとして輸入され、逃走するなど野生化したアライグマである。農作物を食べ荒らす被害の拡大が千葉県版(6月13日)で報じられていた。収穫前のスイカなどが狙われている。県内の被害は2024年度は4652万円に及び、06年度の約10倍という▲アライグマは05年、生態系への影響や人などへの被害を防ぐために特定外来生物に指定された。マダニを運ぶなど、感染症を媒介するおそれもある。見つけても近寄ってはならない▲東京も例外でない。東京都環境局によると、23区内の目撃など相談件数は13年度は9件だったが、24年度は856件に急増している。最近も、墨田区が目撃情報を基に住民にSNSで注意を呼びかけた▲専門の業者が捕獲や駆除にあたり、自治体も相談窓口を置いて連携するなどしている。このままだと、全国的にさらに踏み込んだ対策が必要になるのではないか▲ラスカルの物語は、人が生き物や自然と距離を置く大切さを教える。だが、アニメをきっかけに輸入が増えたアライグマは、日本で野生化しても、よき隣人とはなれない。人がつくったゆがみの代償は大きい。
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