迷彩服を着た陸上自衛隊員は一様にこわ張った表情を浮かべていた…
毎日新聞2026/6/22 東京朝刊有料記事608文字
イラクの復興支援のため、南部サマワに到着した陸上自衛隊の車両=2004年1月
ホルムズ海峡を航行する船舶=オマーン・ムサンダムで2026年6月18日、ロイター
迷彩服を着た陸上自衛隊員は一様にこわ張った表情を浮かべていた。2004年1月、イラクの復興支援のため、南部サマワに到着した時の光景だ▲現地の治安は比較的安定していたが、首都バグダッドや他の地方都市ではテロが頻発していた。そうした状況下で任務に臨む隊員の緊張感が伝わってきた▲当初は歓迎ムードだったサマワも治安の悪化が目立つようになり、宿営地への砲撃が相次いだ。それでも当時の小泉純一郎首相は「自衛隊が活動している地域は非戦闘地域だ」と述べ、イラク復興特別措置法の派遣要件を満たすと主張した▲あの時と同じように、誤った判断で開戦に踏み切った米国の尻拭いをさせられるのだろうか。米イランの戦闘終結合意を受け、ホルムズ海峡の無条件開放を求める英仏などの共同声明に日本も加わると高市早苗首相が表明した。声明は機雷除去の役割にも言及している。自衛隊の派遣を含め、日本がどう対処するかが問われる▲トランプ米大統領は今のところ各国の部隊派遣は不要との見解を示す。首相も情勢を慎重に見極める構えだ。一方で、機雷除去には数カ月かかるとも指摘されている。トランプ氏が考えを変える可能性も否定できない▲サマワでの2年半の活動では死傷者を出さずに済んだが、後に公開された自衛隊の日報には「非戦闘地域」とは思えない緊迫した状況もつづられている。米国に寄り添う「派遣ありき」の姿勢が、現場の隊員にどれだけの負担を強いたか。今につながる教訓だ。
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